頭痛とは?
頭痛とは、頭部に感じる痛みで皮膚表面の痛みではないものを言います。その中には様々なタイプの痛みをが含まれる幅の広い症状の概念です。ありふれた症状である一方で、頭痛を主症状とする致命的な疾患もある上に、原因が特定できないことも多いという多くの人を苦しめている難しい症状です。
頭痛には様々な種類があり、一般的に3つの種類に大別することができます。
- 冷たいものを食べた時、二日酔いの時に起こる症状のような頭痛
- 今まで経験したことのないような突然の激しい頭痛で発熱・手足の痺れ、吐き気・嘔吐を伴う危険な頭痛
- 定期的に繰り返し起こる慢性頭痛。いわゆる「頭痛持ち」のことです
二番目の頭痛は、非常に危険です。速やかに病院へ行き精密な検査を受けてください。。
三番目の慢性頭痛には「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3種類があります。また、生理に伴う頭痛など、女性ならではの月経関連片頭痛(月経時片頭痛)もあります。これらの際は鍼灸治療を一度試してみてください。
頭痛とは? 【危険な症状】
頭痛は、緊急に適切な治療をしなければ死に至る可能性のある時もあります。危険な疾患にはクモ膜下出血、髄膜炎、大きな脳出血があります。脳腫瘍も放置すれば確実に死に至るので鑑別しなければなりませんが、緊急度ではそれほどではありません。また、重度の突発性緑内障発作の場合には、生命には影響しませんが失明の危険が大きく、緊急に対応が必要です。
下記のような症状が見られる際は、後回しにせず速やかに病院で精密な検査をしてください。
- 今までに経験したことがないような頭痛か、今までの頭痛で最悪の頭痛
- 神経症状(麻痺、複視(物が二重に見える))・精神症状などを伴う(手のひらを上にして両腕を肩の高さまで水平にあげて目をつぶってキープする。片腕が下がって来るようならすぐに病院へ)
- 頭を振ると頭痛がとてつもなく増強する
- 何時何分に起きた、何をしている時に起きたと正確に言える
- 項部硬直がみられる(仰向けに寝ている患者の頭部を持ち上げ、前屈させるようにすると頭部の前屈に抵抗を示して頭部と胸部がいっしょに持ち上がる。)
- ろれつが回らない
- 全身症状(発熱、るいそう、痙攣)を伴う
- 高齢者の初発頭痛
- 5歳未満の初発頭痛
- 明るい物を見ると頭痛が増強する
- 最近頭部に外傷を受けたことがある
上記のような場合には、鍼灸院へ行くのではなく、まずは速やかに病院で精密な検査を受けてください。その後状況に応じ、鍼灸治療を併用してください。
頭痛とは? 【一般的な頭痛】
危険な頭痛を除外した一般的な頭痛には下記のようなものがあります。これらが鍼灸治療の適応となります。なお、片頭痛は、別のページにて解説しています。 頭痛は慢性化すると、長期間の薬の服用で、薬がなかなか効かなくなり頑固な頭痛になります。そのような方にも鍼灸治療はとても効果的です。
◆ 緊張型頭痛
頭がしめつけられるような痛みが特徴です。肩や首の筋肉の緊張によって頭が痛みます。肩こりを訴える人が多い日本人にはもっとも起こりやすいタイプの頭痛と言えるかもしれません。頭をしめつけられるような重苦しい痛みがいつからともなく始まり、連日ダラダラと続く頭痛です。 下記のような特徴があります。
- 後頭部から首筋にかけて、ジワーっと両側が痛む
- 頭を鉄の輪でギリギリとしめつけられるような痛み、頭の上に重石が乗ったような頭重感
- 首や肩のこりをともなう
- いつとはなしに痛みが始まり、ダラダラと続く
- 首を回すと、フワッと一瞬めまいがすることがある
原因としては身体的ストレスや精神的なストレスが関与していると思われます。
無理な姿勢・合わない枕・目の酷使などが身体的なストレスに含まれます。特に目や肩などにストレスが集中してかかると周囲の筋肉がこわばって血行が悪くなります。さらに疲労物質などがたまって周囲の神経を刺激し、頭痛を招くと考えられています。パソコンやスマホなどを長時間使用する人などによく見られます。同じ姿勢を保ち続けることは負担となりますので注意が必要です。この点でも歩きながらスマホを使用するということは大きな問題となりますのでしないようにしましょう。緊張型頭痛の方は多くの場合眼精疲労も抱えています。
他に精神的に心配事や不安・悩みを抱えることなども原因となります。これらによって自律神経がうまく機能しなくなると、筋肉が緊張していなくても頭痛を訴えることもあります。几帳面で律儀な人・生真面目な人ほどこの症状が現れやすいとも言われています
◆ 群発頭痛
片頭痛や緊張型頭痛に比べて患者数も少なく、一般にはあまり知られていない頭痛ですが、痛みの強さは桁違いです。群発頭痛は、ある一定の期間、毎日のように明け方のほぼ決まった時間に起こる激しい痛みが特徴です。群発地震のように特定の期間に集中して痛みが起こるためこのように呼ばれます。下記のような特徴があります。
- 男性に多い
- 痛くなるのは、いつも決まった片側
- 痛みはかなり強烈で、目の奥をえぐられるようだったり、痛くてじっとしていられないほど
- 痛みの持続は15分〜3時間で、その時間が経過すれば消失する
- ひとたび起こると1〜2ヶ月の間は連日痛みが起こる
- 痛みは深夜2時頃など、睡眠中に起こることが多い(不定期のこともある)
- 頭痛がある間、痛みがある側の目が充血したり、涙が出たり、鼻水が出たり、額に汗をかくなどの症状を伴う
群発頭痛の原因は残念ながらはっきりわかっていません。ただ発作中は目の後ろあたりにある太い血管(内頸動脈)が腫れ、その血管により周りにある神経が刺激されて、激痛が起こると言われています。痛みと同時に充血や鼻水、発汗などの症状が現れるのは、自律神経の刺激によるものです。
頭痛とは? 【治療】
鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼を接触させて行って治療を進めていきます。片頭痛であれ緊張型頭痛であれ、どんな病気でも全身の調子を整えつつお悩みの症状を治療していきます。頭痛があるからといって頭ばかりに鍼を刺すことはありません。
積聚治療では、片頭痛や緊張型頭痛などお身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。鍼灸治療を施すことにより、身体を芯から温め、冷えを取り、症状をとっていきます。頭が痛いという症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、頭が痛くなるその原因から取り除く、根本からの治療を行います。
病院での治療で改善しなかった時や早くつらい症状から解放されたい時など頭痛でお悩みの方は、お早めに鍼灸治療をお試しください。手軽だからといって市販の鎮痛薬に頼っていると回復に時間がかかるようになりますし、身体を冷やし違う症状を生み出すことにも繋がりますのでご注意ください。
【関連ページ】
- 頭痛とは?原因・症状・治療法
- 片頭痛とは?原因・症状・治療法
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