当鍼灸院の治療に関する全般的な質問集

積聚治療とは?

治療の流れを教えてください

何回ぐらいで治りますか?

鍼灸で肝炎やエイズに感染する心配は?

鍼灸は以前受けましたが、やり方が全然違います

鍼灸治療を受ける時はどんな服装がいいでしょうか?

鍼灸治療を受けた後に気をつけることはありますか?


積聚治療とは?

 前述しましたように鍼灸治療には様々な流派がありますが、当鍼灸院で行っている鍼灸治療は積聚治療というものです。積聚とは、お腹に現れる異常(痛み、塊、動悸)のことです。
 膝が痛くても、腰が痛くてもどんな症状であっても、ほとんどの場合本人は気づかなくてもお腹にも異常が現れてきます。それは、身体が冷えて生命力が低下した結果、様々な症状が現れているからです。
 そこで、どんな症状で来られても、必ずお腹を確認してその状況に応じて背中に鍼と灸をしていきます。不思議に思われるかもしれませんが、背中に治療していくとしばしばお腹の積聚が消えていきます。積聚が消えるのは、『冷え』が解消されたからと考えています。
 積聚治療では、病の原因を『精気の虚』にあると考えています。聞きなれない言葉ですが、簡単に言うとこれがここで言っている『冷え』です。この『冷え』とは、単に感覚的に冷たいというだけのことではなく、生命力の低下を指しています。身体は冷えると生命力が低下し、様々な病気や症状が現れてきます。腰痛になる人は、腰が悪いから腰痛になるというよりもそれ以前に何らかの原因で身体の中に『冷え』が生じ、それが原因となって、たまたまその方の弱い箇所つまり腰に症状が出ていると考えるのです。
 ですから、腰が痛いからといって、その症状にばかり目を向けて腰だけを治療するのではなく、全身的な治療を行います。そのようにすることにより、症状の本当の原因となっている『冷え』を取り除き、腰の症状を緩和させていきます。湿布薬を出して症状だけを緩和するのではなく、その原因となっている大元から治療をしていくのです。
 腰痛に限らず多くの症状の背景には、身体の『冷え』が関係しています。
 例えば水を冷やしていくと徐々に固まり、氷となります。水の時には様々なものに浸透したり、自由に形状を変化させ流れていきます。しかし、氷となると浸透することも、形状を変えることもできません。しかも、些細な衝撃で壊れてしまうようになります。
 人の身体も『冷え』ることにより、柔軟性が失われ些細なことで傷んでしまうようになります。普段なら問題なく行えていた動作でも、それがきっかけとなって腰痛などの症状を引き起こすことになってしまうのです。
 当鍼灸院で行っている鍼灸治療(積聚治療)では、この『冷え』を取り除くことを念頭に置いています。鍼灸治療を行うことにより、身体に熱を起こしていき、生命力を高め『冷え』を解消します。
 ただ、痛みを取り除くだけでは、痛みが再発することがしばしばありますが、鍼とお灸を使ってその原因となっている『冷え』を解消することにより、症状を大元から取り除き、身体を治癒へと導くのです。
 病院では、専門の科に分かれていて腰がいたければ整形外科、お腹が痛ければ内科というように、その科に関する病気しか見てくれません。しかし当鍼灸院にはそのような専門の科はありません。腰の問題でも、内蔵の問題でも同じ人間が治療をします。それは、このように病気に関する見方の違いから来ています。病院では身体をそれぞれのパーツで見ていきますが、東洋医学では心まで一緒に身体全体を一つにして診ていきます。

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治療の流れを教えてください

 初診時はまず最初に時間をかけて様々な事をお聞きします。昔の交通事故や病気、手術、スポーツ歴、家族歴、出生時の様子などです。お悩みの症状とは全く関係ないように思われるような事が多くあるかもしれませんが、それらが現在の症状に関係していることがしばしばあるからです。
 その後下記のように治療をしていきます。どのような症状の方でも同じような手順で治療をしていきます。
 はじめに仰向けになり、手首の脈を取らせていただいて、脈拍を計測します。そして、お身体の様々な箇所を触り、指標を確認します。触るところは、一番お悩みの症状のところはもちろんですが、それ以外にも、指の付け根、足首、膝周り、耳の辺り等様々な箇所です。そのようにしてお身体の状況を探って行きます。
 次にお腹全体に軽く鍼をあてていきます。お腹に鍼を刺していくのではなく、接触させていきます。お腹全体に行います。その後手首の脈をみて、手首に軽く鍼をします。
 もう一度お腹全体を触らしていただきます。お腹を診て、ひずみや偏りをもとになっているお身体の異常(積聚)を把握し、背中の施術方法を決めます。上は一番下の肋骨まで、下腹部は恥骨の際まで診ます。
 その後、うつ伏せになっていただき、背中全体に軽く鍼をします。
 それから背中のツボに時間をかけて鍼をあてたり、お灸をしたりします。その間にも、膝や足首、首などお身体の各所に触れながら行っていきます。多くの患者さんが眠ってしまう心地よい刺激です
 背中が一通り終わったら、もう一度、仰向けになっていただき、お腹を診て、ひずみや偏りの改善の様子を確かめます。必要に応じて、手足や腹部などに鍼をしていきます。
 最後に起き上がって座っていただき、肩に軽く鍼をして終了です。

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何回ぐらいで治りますか?

 その病気あるいは症状が出初めてから経過した時間と、その方の体力等様々な要因によります。
 一般的には、病が古いほど・身体に疲労が蓄積しているほど、症状の改善には時間が掛かります。
 また、鍼灸治療は、身体のバランスを取ることにより、その人自身が本来持っている自己回復能力が正常に働くよう助けて治癒へと導きます。ですから、原因となる生活習慣を改めることにより、一層回復を早めることも出来ます。逆に問題となっている生活習慣を全く改めない場合や増加するような時は多くの時間を要したり、治癒しなかったりします。
鍼灸治療は、身体が治ってゆく方向へと踏み出すきっかけを作り、回復するのをお手伝いするだけで、本当に治すのはご自身だとお考え下さい。

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鍼灸で肝炎やエイズに感染する心配は?

 鍼灸治療を受けて血液感染する何らかの病気に感染する心配はございません。
 現在ではほとんどの鍼灸院でディスポ鍼を使用しています。当鍼灸院でもディスポ鍼を使用しています。ディスポ鍼とは、使い捨てということです。鍼灸治療毎に毎回鍼を使い捨てています。違う患者さんに使用した鍼や前回使用した鍼を使うことはありません。
 また、そのほかの備品に関しても消毒を徹底しています。従って、感染症などの心配は全くなく安全です。
 安心して鍼灸治療をお受けください。

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鍼灸は以前受けましたが、やり方が全然違います

 鍼灸と一言で言っても、実は様々な流派があり、それぞれ治療の仕方や考え方が大きく異なります。また同じ流派に属する人でもそれぞれやり方が違うことも多々あります。そのため、鍼灸治療には治療家の数だけ流派があるとも言われています。
 そのため、以前鍼灸治療を受けられた方でもやり方が全く異なるので驚かれることもしばしばあります。
 流派が異なっていても、どの流派も様々な疾患に効果があることは同じです。しかし、患者さんによっては好みの問題もあります。ご自分に合う治療、信頼できる鍼灸師をお選びください。
 もし、以前鍼灸治療を受けてみたけれど効果を感じられなかったという方は、別の鍼灸院に行かれてみることも良いかもしれません。鍼灸が効かなかったのではなく、その鍼灸師の治療では治らなかったというだけの事が少なくないからです。
 もちろん当鍼灸院で治らなかった場合でも鍼灸治療を諦めるのではなく、他の鍼灸治療院に行かれるようお勧めいたします。必要なら他院をご紹介しますのでお気軽に相談してください。

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鍼灸治療を受ける時はどんな服装がいいでしょうか?

 当鍼灸院では、毎回全身の状態を確認することから治療を始めます。お腹、背中、手足を出して、確認させていただきます。
鍼灸治療の前に、以下のような服装にお着替えください。
 【上半身】 Tシャツなど捲り上げやすいもの 
        ブラジャーは背中にホックがあるものにしてください。ブラトップはご遠慮下さい。
 【下半身】 短パンなど膝まで上げやすいもの
 【小児】 パンツのみになって準備してください
 正確にお身体の状態を把握し、効果的な鍼灸治療をおこなうため、また着衣の着脱にかかる時間の短縮のためにご協力ください
 薄着になっていただくために治療室内は暑めにするようにしております。それでも寒いと感じる際は、空調を調整しますのでご遠慮なく申し出てください。

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鍼灸治療を受けた後に気をつけることはありますか?

 鍼灸治療を受けた日は静かに過ごして下さい。 激しい運動、房事(SEX)、アルコール、風呂(軽くシャワーを浴びることは構いませんが、湯船に浸かることはしないでください。洗髪も避けて下さい)、徹夜などは鍼灸治療の効果を帳消しにします。
 また、とくに最初の治療の後は、「眠くなる」「だるくなる」「症状がかえって重くなる」など 今までにない体の状態を経験することがあります。
 それまでの体の疲れが強いほどこのような反動は強いものですが、これは体のひずみが調整されてゆく過程で起こることがあり、2度3度と鍼灸治療の回数を重ねて行くにしたがって不愉快な症状はなくなってゆきます
 もし、我慢できない症状が現れた時には、その旨ご相談ください。

 
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