夜尿症は鍼灸治療が効果的です!

夜尿症について

 夜尿症とはいわゆる「おねしょ」で、自分の意志とは関係なく排尿してしまうことです。2歳ぐらいまでは毎晩おねしょをするのでおむつを使用することが一般的ですが、年齢が上がるとともにおねしょの回数は減ってきます。小学校にあがるころには、ほとんどの子どもがおねしょをしなくなりますが、5歳を過ぎてもおねしょが続いている場合は「夜尿症」とよび、おねしょと区別されます。小学校高学年になっても数%の割合で夜尿症の子どもがいるとされています。
 五歳以降もおねしょをする際は治療を考えてください。

夜尿症の原因は?

 夜尿症の原因は主に5つあると考えられています。

 1つ目の原因は夜間の尿量が多いことです。通常、夜間になると抗利尿ホルモンが日中よりも多く分泌されて尿量が少なくなるようにできているのですが、その機能が未熟であると夜間の尿量が多くなりおねしょにつながってしまうことがあります。

 2つ目の原因は膀胱の容量が小さいことです。通常、夜間は日中よりも多くの尿がためられるようにできていますが、その発達が遅れていると夜間も昼間と同じ程度にしか尿をためることができず、おねしょをしてしまいます。

 3つ目の原因は睡眠が関係しているというものです。通常、夜間でも尿がたまると尿意を感じて目が覚めますが、なかには目が覚めない子どもがいます。睡眠が深いためで、特に異常ではありません。睡眠が夜間の膀胱の容量や尿量に関係しているという考え方もありますが、まだ詳しいことはわかっていません。

 4つ目の原因は心理的なストレスです。おねしょがなかったのに突然おねしょをするようになるケースでは、心理的なものが関係していることが少なくありません。

 5つ目の原因は器質的な異常です。夜間だけでなく、昼間もトイレを我慢できないケースでは膀胱や腎臓に問題があることが考えられるとされています。なるべく早くに医療機関を受診したほうがよいでしょう。

病院での一般的な夜尿症の治療

 まずは、夜尿症の原因がどこにあるか見極めます。そのために、夜間尿量や膀胱容量を測定するなどします。そして、規則正しい生活の指導が行われたり、水分や塩分の取り方の指導がされたりします。必要であれば、抗利尿ホルモンや抗コリン剤といった薬の利用や漢方の内服をすすめられます。
 他にも、アラーム療法といい、パンツにセンサーを取り付けることがあります。おしっこに反応してアラームが鳴ることで、目を覚まさせると共に排尿を抑制しようという訓練です。
 ストレスが原因の場合はカウンセリング、器質的な問題がある場合はその治療を行うことがあります。

当鍼灸院での夜尿症の治療

 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で基本的に鍼灸治療を施しておりますが、乳幼児の場合、大師流小児はりの治療法も取り入れております。
 鍼と聞くと尖った金属をぶすぶす刺すと言うイメージですが、小児に行なう鍼は一般的な鍼ではなく、『てい鍼』という尖っていないただの金属の棒を用います。このてい鍼を用いて全身を優しくなでたり、軽く接触させて治療を行ないます。かかる時間は年齢にもよりますが5分から10分程度と思ってください。
 また、夜尿症の治療の際にはお灸もしばしば用います。子供が悪いことをすると『お灸を据える』という言葉があり、お灸にも熱そうで怖いというイメージをもたれる方は少なくありません。しかし、お灸といっても夜尿症でしばしば用いているのは熱いお灸ではなく暖かいお灸です。熱く感じたらすぐに離します。気持ちの良いお灸なのでお子さんでもお灸をしていると寝てしまう事もあるくらい心地の良い治療です。
 皮膚を軽くなでたり、暖めたりするだけで効くと言われると疑問に思われるかもしれませんが、最近の科学の進歩により、皮膚は脳と同じ受精卵の外胚葉から発生してきており脳と同じような働きもしていることがわかってきました。そのため第三の脳とも呼ばれています。ですから、皮膚の適切な箇所に適量の刺激をあたえることは脳に働きかけるのと同じであり、皮膚から感情や気分に変化を与えることも出来るのです。
 小児鍼灸は、0歳児の赤ちゃんから笑顔で受けることが出来る治療です。心身健やかなお子さんに育つよう、また、育児のストレスを少しでも少なくするため早めに鍼灸治療をお試しください。
 そのうち治るだろうとほっておくと、なかなか治らずに林間学校や修学旅行の直前になって治療に来る方も当鍼灸院にはおられます。どんな疾患でもそうですが、早めに治療した方が治りは早いです。5、6年生になっても毎晩のようにおねしょをする場合、半年程度は治療にかかることもあります。また、不安にさいなまれて、せっかくの楽しい思い出となるはずの学校行事が楽しめなくもなります。低学年のうちに治療を受けられることをおすすめします。

小児鍼灸は子供も気持ち良く受けることの出来る治療です

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