帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛の 概要 と 症状

帯状疱疹後神経痛の 治療 と 当鍼灸院での治療例

すずめの森はり灸院

帯状疱疹後神経痛 【概要】

 帯状疱疹とは、文字通り帯状に赤い斑点や水ぶくれ(水疱)が出来ることからこのように呼ばれています。罹患した神経の走行に沿って発生します。原因となる帯状疱疹ウイルス(幼い時にかかる水疱瘡のウイルス)は身体の中に潜伏していて疲れたり、身体の抵抗力が落ちているときに最活性化して発症すると考えられています。帯状疱疹にかかると帯状の疱疹に加えて痛みが現れます。皮膚の症状や痛みは普通時間の経過とともに治りますが、皮膚の症状が消えた後にも痛みが残る場合があります。
 ある程度の期間にわたり痛みが残っている場合に帯状疱疹後神経痛(PHN)とされます。帯状疱疹になったときにウイルスの攻撃によって、神経に傷痕が残ってしまったために起こると考えられています。


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帯状疱疹後神経痛 【症状】

 帯状疱疹後神経痛の代表的な症状は、持続的に続く、焼けるような痛み(灼熱痛)です。刺すような痛みが繰り返し発生します。痛みの表現は人により異なり、ひりひりするとかチカチカ、ピリピリ、ズキズキ、締め付けられる、電気が走る、と表現されることもあります。皮膚の感覚は鈍くなり感覚鈍麻と呼ばれる状態になることもあります。また逆に触れたり、衣服がすれるだけで強い痛みを感じるアロディニアと言われる状態がみられることもあります。
 しかし痛みの激しさの一方で、夜間はよく眠れたり、何かに集中していると痛みを感じなかったりするという事もあります。

帯状疱疹後神経痛とは?【どんな人がなりやすい? 】

 次のような人は、帯状疱疹から、帯状疱疹後神経痛に移行しやすいとされています。

 これらにあてはまる人は、帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移行しやすいため、症状が出たらほっておかずに早めに病院での治療だけでなく鍼灸治療も併用することをお勧めいたします。
 そのうちに治ると医師に言われ安心していたら治らず、時間が経過してから慌てて当鍼灸院へ来院される方が多くおられます。病院での治療が終わっても痛みか続くかしばらく様子を見てから決めるのでなく、お早めに当鍼灸院へご来院ください。時間が経過するほどなかなか治りにくくなり、痛みを完全に除き去ることは難しくなります。つらい痛みに一生悩まされ続けることにもなりかねません。


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帯状疱疹後神経痛 【治療】

 帯状疱疹後神経痛は、症状や程度が患者さんによって違うためまた特に有効な治療法がないため病院(麻酔科,ペインクリニック、皮膚科等)での治療には特に決まった治療法はありません。それぞれの患者さんに合うと思われる治療法が選択され、組み合せられます。また、一度や二度の治療ですぐに治ることはほとんどありません。薬物療法や神経ブロック、理学療法や鍼灸治療が用いられ、痛みを軽減できるようになります。
 時間が経過してしまった方では痛みの完全な除去ではなく、緩和することを目標に気長に、上手につきあっていくように心がけるようにしなければならなくなります。
 疼痛のことを気にしてばかりいると余計に憂鬱な気分になったり、塞ぎ込みがちになってしまいます。そのためにストレスが溜まり始め、痛みの悪化を招くことにもなりかねません。血流改善の対策のためにも外出や趣味を持ち、痛みにばかり気にかけないような日常を送れるようにしてください。
 帯状疱疹後神経痛に大事なのは体力の回復です。十分な睡眠と栄養の摂れた食生活を心がけ、規則正しい生活をおくりましょう。
 また患部は冷感により痛みを増します。そのため入浴することにより血行を促進し、疼痛を緩和します。特に制限などがない場合は入浴で温めたりしましょう。
 帯状疱疹を発症すること自体、非常にストレスを感じていたり、疲れて免疫力が下がった状態であることの証拠でもあるので、鍼灸治療によって全身の治療をし、自然治癒力を正常に働かすことがとても大切です。帯状疱疹後神経痛は、西洋医学でも東洋医学でも発症から日が浅いほうが治りやすく、長期間を経たものでは治療に長い時間がかかってしまいます。一日も早く鍼灸治療を併用して治療される事をおすすめします。


当鍼灸院での治療

 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なるといわれています。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼をやさしく接触させて行くことにより、治療を進めていきます。お悩みの症状が何であれ、痛む部位だけでなく全身の調子を整えつつ治療していきます。
 積聚治療では、どんな病名・症状であれ、お身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。鍼灸治療を施すことにより、身体を芯から温め、冷えを取り、痛み等の症状をとっていきます。痛み止めなどで表面的に現れている症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、原因から取り除く根本からの治療を行います。帯状疱疹後神経痛の場合、病院での治療がある程度経過すると『もう痛みは治らない』『一生この痛みは続きます』と言われてしまいます。そのような方でも鍼灸治療を行うことにより改善していく事があります。諦めずに鍼灸治療をお試しください。

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帯状疱疹後神経痛 【治療例】

【症例】

 柏市在住 80歳 女性
 来院三ヶ月半前に発症。すぐに病院での治療を開始するも神経痛が残存。神経ブロック注射や抗うつ剤なども試したが痛みがなくなることが片時もない状況。
 痛みがひどいため食欲も著しく低下し、ほとんど食物を摂取していない、また、痛みのために睡眠もあまり取れず、日中も動けずに寝てばかりの生活が続いているとのこと。
 ・ 既往歴
 20代で子宮外妊娠のため手術。
 50代で胆石の手術
 70代から糖尿病。現在まで血糖値のコントロールは出来ていない状況。
 骨粗鬆症もあり、70代の時に転倒して胸椎骨折。

【治療】

 初診 積聚治療の基本的な治療を行う。背部の治療を行っている際は骨折したと思われる胸椎を重要な指標とする。基本的な治療後に補助的な治療として腹部の手術痕を治療する。来院時は軽く皮膚に触れるだけで痛がっていたが、治療後は触れるぐらいでは痛みを感じなくなり、自覚痛もなくなったことを確認して初診時の治療終了。

 2診目から4診目(初診から5日から14日後)初診の治療後、5、6時間痛みを感じずに過ごせた。これまでどんな治療を受けても痛みがなくなることはおろか緩和することもなかったので非常に驚いたと来院時におっしゃっていました。治療は初診時とほぼ同様で、積聚治療の基本的な治療に加えて腹部の手術痕の治療を加える。
 5診目から6診目(初診から19日から26日後) 前回の鍼の治療後、痛みの無い日が2日間続いた。睡眠もかなり改善し、よく寝れるようになった。
 7診目から11診目 (初診から30日から66日後) 鍼灸治療ごとに一日ずつ痛みの感じない日が伸びていき、鍼灸治療後、4日間ほど痛みを感じずに生活できるほどにまで回復。また、痛みが出現しても、大した痛みではなく日常生活に支障はでない程度のものとの事。食欲も回復し。気晴らしに日中動く気力も湧いてきた。治療は、血糖値のコントロールができていないことを考慮し、状況により長野式の血糖処置を加える。
 以後、治療継続中。

【考察】

 来院時に腹部の手術痕を何箇所か指で押しただけで神経痛の痛みが緩和しました。神経痛の部位と手術をした部位は異なるので西洋医学的には何の関係もないはずですが、実際に変化したことまたそこ(手術痕)の治療をすることにより痛みが緩和した事から両者に密接な関係があることがわかります。東洋医学では手術痕や骨折、捻挫などたとえ幼い頃の傷であれ、きちんと回復していないと長期間にわたり影響(身体を冷やし)を及ぼし、身体の他の部位に症状を引き起こすと考えています。この症例は、この点の正しさを裏付ける症例のひとつです。
 糖尿病、高齢、痛みが非常に強いものだったことを考えると難治性のものであり、病院の様々な治療でも緩和しなかった事がうなずけます。もし、鍼灸治療をしていなかったら、引き続き寝てばかりの生活を続け、そのまま寝たきり生活になってしまっていたかもしれません。痛みが着実に緩和していき、患者さんの表情にも明るさが戻ってきたので、鍼灸治療に加え少しづつ簡単な運動指導を行なったところ着実に動けるようにまで回復しました。ひどい痛みは生活の質(QOL)を低下させ、寝たきり生活にもつながりかねません。一週間横になり続けるだけでも10から15%の筋力が低下すると言われています。寝たきりとなってしまうと本人はもちろん介護する側も非常に辛い思いをすることになります。介護予防のためにも是非鍼灸治療をお試しください。

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