顔面神経麻痺の原因とは?症状と治療について詳しく解説!

【顔面神経麻痺とはどんな病気?】

 顔には20以上の表情筋肉が存在しています。この複雑な筋肉の動きによって、人間の豊かな表情が作られています。これらの筋肉の動きをコントロールしているのが、顔面神経と呼ばれる神経で、耳の当たりから顔に向かって電線のように通っています。この神経に何らかの障害が起こると、表情筋の動きが鈍くなったり止まってしまったりして、表情が作れなくなってしまうのです。これが顔面神経麻痺という病気です。

【顔面神経麻痺の原因は?】

 この病気にはいくつかの原因があります。まず、急に症状が出る場合には、ウイルスが顔面神経に感染して起こるという原因が考えられます。これは「ベル麻痺」とも呼ばれることがあり、顔の半分だけに麻痺が生じるなどの症状を引き起こします。ウイルスが原因のケースでは、ストレスなどによって免疫が弱っている時に起こることがあります。また、脳卒中でも突然顔面神経麻痺が生じることもあります。この原因の場合は、言葉が不明瞭になるなどの他の症状が出ることが多いのが特徴です。

 突然症状が出るのではなく徐々に進行している場合には、血管や神経そのものの問題が原因となることもあります。神経自体にダメージが起こりますので、治療が難しいこともあります。他にも、外科手術をしたり、事故などによって外傷を負ったりしたことが原因となることもあります。神経そのものが、手術や外傷によって傷つけられてしまうというケースです。多くの場合は、原因となる事故や手術の後早くに麻痺が出てくるのが分かりやすいですが、時折少し経ってから麻痺を感じる、もしくは病気に気づかずにいたということもありますので注意が必要です。

【顔面神経麻痺の症状としてはどんなものがある?】

 顔面神経麻痺という病名からも分かるように、顔の筋肉が麻痺してしまいますので、表情が作れなくなってしまいます。
 顔の半分だけ麻痺することが多いため、半分は普通に笑ったり目を細めたりできるのに、もう半分は全く動かないと言うような状況になり、周りの人の視線が気になるようにもなってしまします。
 また、筋肉を動かしづらくなる、場合によってはほとんど動かせなくなりますので、目を開いたり瞬きがしづらくなったりします。すると、目が乾燥して充血したり、視界が狭く感じられたりすることにつながります。さらに、唇をうまく動かせなくなりますので、言葉が不鮮明になったり早くしゃべれなくなったりすることもよくあります。さらには、感覚自体も麻痺してしまうので、唇の端からよだれが垂れてしまうこともあります。
 こうした見た目にも分かる症状の他に、痛みが生じることもあります。人によって痛みの質は異なりますが、ピリピリと電気刺激を受けているような痛みや、刺されたような痛みを感じる人もいます。また、表情が作れなくなったり話しづらくなったりすることが多いため、精神的にも苦痛を味わうことが多くあります。精神的な症状も顔面神経麻痺には結果として現れることがあるのです。

【顔面神経麻痺の治療】

 顔面神経麻痺の治療法は、当然原因によって分かれます。ウイルス感染によるものであれば、抗ウイルス薬を服用してウイルスを除去する治療が重要です。そうした治療に加えて、マッサージや鍼灸を含むリハビリテーションをすることで、元通りの表情の動きができるようになります。外傷や手術などの場合は、形成外科による再建術などの治療が必要になることがあります。どのケースでも、やはり表情筋のリハビリは必須の治療法となります。
 この病気には、鍼治療も大きな効果をもたらします。症状の度合いにもよりますが、神経と筋肉の動きを活性化させること、こわばった筋肉を和らげることに鍼は大きな力がありますので、臨床的にも有効なものとして認められています。もちろん、通常の投薬や手術などの方法にプラスして、鍼を行うということも可能です。

早期治療が非常に大事!

 顔面神経麻痺の治療の結果は、早い段階から治療を始めているほど比較的良好なことが多く見られます。不全麻痺の場合、数カ月で自然治癒することもあります。完全に麻痺している状態でも最初の2週間以内に改善の兆候が見られた患者ではほぼ完全に寛解することが多く見られます。
 治癒が完全でない場合には、顔面麻痺が残ることがあります。また再生した顔面神経が本来の支配先と異なった筋を支配してしまった場合には、口を閉じると眼が一緒に閉じたり、熱いものや冷たいものを食べた時に涙が出たりするクロコダイルの涙とも呼ばれる異常連合運動が起こることがあります。
 自然に治るからと油断していて、病院の治療で治らず後遺症に苦しむ方が当鍼灸院には多く来院されています。顔面神経麻痺の場合、特に早期の治療が大切です。後遺症が残ってしまってからでは回復までに多くの時間を要します。発症したら早めに西洋医学(病院)だけでなく東洋医学(鍼灸治療)の併用をお勧めいたします。

 当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、どのような症状であれ、お腹や背中など全身に鍼を接触させて行って治療を進めていきます。顔面神経麻痺であれ、ベル麻痺であれ、ハント症候群であってもあるいは他のどんな病気でも全身の調子を整えることにより、お悩みの症状を治療していきます。
 積聚治療では、顔面神経麻痺などお身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。もっと広い視点で考えており、簡単に言うと『生命力の低下』と思ってください。鍼灸治療を施すことにより、身体を芯から温め、冷えを取り、症状をとっていきます。麻痺という症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、麻痺を起こした原因、根本からの治療を行います。
 病院での治療で改善しなかった時や早く麻痺から解放されたい時など顔面神経麻痺でお悩みの方は、お早めに鍼灸治療をお試しください。当鍼灸院は、完全予約制ですし、入れ替えの時間も多めにとっています。そのため、他の患者さんにお会いすることはほとんどありません。他の人の視線を気にすることなく治療を受けることができますのでご安心ください。

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