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当鍼灸院での不妊・不育症の治療例
【患者】 : 40代 女性
【主訴】 : 不妊・不育症
【主訴の経過】 : 来院3年前に結婚。
当鍼灸院への来院一年ほど前から病院及び鍼灸院(不妊専門)にて不妊治療を行なう。
体外受精を何度か行ない、何回か妊娠したが、流産してしまう。
病院での検査では、夫婦共に器質的な問題なし。
【既往歴他】 : 20代の頃から、慢性腰痛。寒いとき、起床時に悪化。眠りが浅く多夢。
生理周期は、30日から50日程度で不安定。生理痛有り。
事故、転倒、怪我、手術など特になし。痩せ形。多汗。
【治療】
《 初診 》 初診でやや緊張気味なのを考慮しても、感情の乏しい様子。不妊治療の疲れから精神的に不安定になっているのではと感じさせる様子だったが、以前からその点は変わらないこと。睡眠が浅くなったのもだいぶ前(詳細時期不明)からとのことなので、精神的な問題も念頭に置きつつ、治療を行なう。手掌、足の裏は汗がじっとりとしていて、日常的な過緊張状態を感じさせる。
治療は基本的には他の症状の方と同じようにお腹全体に優しく鍼を接触させた後、手首のツボを使い脈の調整を行なう。
その後、腹部の触診により、心虚として背中の治療を行なう。(積聚治療では、腹診などの結果から背中の治療の仕方や手順を変えています。心虚と言っても、『心臓が悪い』という意味ではありませんのでご注意ください)
背中の治療の後、補助的に腹部に治療を追加。治療後は、手足の汗もひき、さらりとした肌になる。
《 2診目(初診から8日目)から5診目(初診から30日目) 》: この間は1週間に1回の頻度で治療を行なう。治療は概ね1診目と同様だが、補助的に背中へ暖かいお灸を加える。
2診目の後、受精卵の移植を行なう。3診目の後、着床確認。4診目の後、卵胞確認。妊娠の経過は良好。
腰痛は、最初はかなり良くなったが、移植後に悪化、その後は、以前のように慢性的な痛みが続く。
《 6診目(初診から38日目)から26診目(初診から約10ヶ月後) 》:つわり、腹部の張りが、ややひどかったが、妊娠の経過は順調で無事出産。。背部のお灸などを補助的に加えつつ、通常の治療を行なう。
当鍼灸院へ来院するまでに1年間鍼灸治療も行い、妊娠を継続できなかったと聞いていたが、当鍼灸院へ来てからは順調に妊娠を維持することが出来、患者さん共々非常に拍子抜けしたことを今でも良く覚えています。
《 27診目(2年後)》 : 第二子が欲しいと考え、半年前から病院での不妊治療を行ない、体外受精も何度か試みるも再度流産。病院では、子宮内膜が薄く現状では妊娠を維持することは難しいと言われる。
この間に特に怪我なども無かったので、治療はこれまで同様、基本的な治療をしっかりと行い、補助的に背中への暖かいお灸や足、腹部への鍼を加える。受精卵の移植は、様子を見て欲しかったが、年齢的なものも有り、本人の強い希望で3日後に移植を行なう。
《 28診目(27診目から1週間後)から52診目(27診目から約10ヶ月後)》 : 第二子は、30診目にやや出血が診られたり、32診目には身体所見(脈及び発汗など)が大きく変化し、流産の危険性を感じた。そのため、治療間隔を詰めてもらいつつ、極力安静に過ごすよう厳しく指導を行なった。
第一子の時と同様、お腹の張りとつわりはなかなか改善が診られず妊娠後期まで続いた。腰痛は妊娠後期までは安定。52診目の後、無事出産。
【考察】
上記にも記してありますが、この患者さんは、病院での治療だけでなく、鍼灸院、それも産婦人科専門で治療を行なっている所へ1年間通い続けて妊娠、出産に至らなかった方です。そのため年齢的にも難しく感じましたが、拍子抜けするほど順調に出産へと至りました。正直な所、以前の鍼灸院での治療を繰り返してきたためにお身体が良い状態となっていたため『いいとこ取り』した結果かもしれないとも感じました。また、当鍼灸院へ来院するときに病院、治療法も変えたので、どれのおかげで妊娠が継続できたのか分からない状況でした。
その点は、患者さんにも何度もお話していたので、患者さん共々今回妊娠を継続できたのは『たまたまかな』と感じておりました。しかし、第二子を欲しくなったときに半年間、再度病院へ通っても妊娠を維持できなかったことそして、二度目も当鍼灸院へ来院してすぐに妊娠し、継続できた事により、鍼灸治療とりわけ当鍼灸院で行なっている積聚治療の素晴らしさを改めて感じさせられた症例でした。
不妊・不育症 【関連ページ】
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