逆子は心配すべき?その原因と治療法

逆子にも分類がある

 通常、赤ちゃんはお母さんのお腹の中で逆立ちのように頭が下側になっています。「頭位」とよばれて、当然分娩時には頭から出てくることになるのです。
 逆子とは、頭位に対して「骨盤位」とよばれていて、頭がお母さんのお腹の上側にある状態をいいます。頭が上でも子宮口にある部位は必ずしも足ではなく、赤ちゃんの体勢によって、分娩時にどの部分から出てくるかが変わってきます。赤ちゃんの体勢によって、逆子も次のように大きく6つのタイプに分けることができます。
「両足をあげているので、子宮口にはお尻がある」
「両足をあげてはいるがひざを曲げているので、子宮口にお尻とかかとがある」
「両足を延ばしているので、子宮口には両足がある」
「片足は伸びているが片足は曲げているので、子宮口には片足がある」
「ひざを曲げていて、そのひざが子宮口にある」
「片足はひざで曲げていて、片足は上にあげているので、子宮口には片ひざがある」

逆子だと帝王切開に

 逆子というと、足かお尻が子宮口にあるということになり、分娩時には足かお尻から出てくることになります。最後に出てくるのは頭になりますので、分娩時にへその緒が頭と子宮壁とに圧迫されてしまいます。そのため、赤ちゃんに十分な酸素が運ばれなくなる危険性がでてくるのです。
 そのようなリスクを回避するために、経膣分娩(普通分娩)ではなく帝王切開がほとんどの場合行なわれます。以前に比べて、帝王切開は難しい手術ではなくなってきているうえに出産に伴う訴訟を起こされることも多くなっているためです。手術による合併症の危険は伴いますが、逆子の場合、経膣分娩による赤ちゃんへのリスクを考えると、帝王切開のほうがリスクは低いと考えられます。特に、赤ちゃんが大きめであったり高齢初産であったりすると、普通分娩が断られる可能性が高まります。
 

逆子になる原因とその治療法

 赤ちゃんが逆子になってしまう原因には諸説ありますが、詳しいことはわかっていません。
 東洋医学では、基本概念に陰陽論という物があります。すべての物に二面性(陰と陽)があると考えるのです。人体だと頭が陽、足が陰という感じです。陰と陽は相対的な物であり、それぞれが互いに調和した関係にあります。
 逆子はこの母と子の陰陽関係がおかしくなっている状態と考えられています。母親の足側(陰)に赤ちゃんの頭(陽)が来ることによって本来調和し、安定します。しかし、母胎のお身体に何らかの問題があり、陰陽のバランスが崩れていると逆さまになってしまうのです。

 赤ちゃんが小さいうちはお腹の中を自由に動いているので、一般的には逆子であっても心配する必要がないとされています。そのため、医師から帝王切開の話が出て初めて、慌てて鍼灸治療を受けに来る方が多くおられます。詳しくは別のページに書いていますが(逆子治療は、いつごろから始めれば良いでしょうか?)、逆子の鍼灸治療は週数が早いほど治ることも多くなります。胎児が大きくなり自由に動けるスペースが狭くなってからだと治らないこともあります。
 逆子と言われたら早めに鍼灸治療を行なって、お身体を健やかな状態にしましょう。

当鍼灸院での治療法

 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼を接触させて行って治療を進めていきます。どんな病気・症状でも全身の調子を整えつつお悩みの症状を治療していきます。妊婦さんの場合は、一般的な鍼ではなく、『てい鍼』という尖っていないただの金属の棒を用います。このてい鍼を全身に優しく接触させて治療を行ないます。
 積聚治療では、お身体の不調の原因はどのようなものであれ『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は冷え性のように物理的に冷たいとか寒いというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。
 鍼灸治療を施すことにより、冷えを生じさせている身体の内部の原因から取り除く、根本からの治療を行います。身体を芯から温め、冷えを取り、様々な付随する症状もとっていきます。

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