肋間神経痛とは?

肋間神経とは?

 肋間神経は、背中から出て、胸腹部に分布する末梢神経で右側と左側のそれぞれに12本、計24本(12対)あります。上部の7対は、肋骨に沿い、胸骨に向かって伸びています。下部の5対は、前下方に向かって伸び、腹部に分布しています。この肋間神経の走行に沿って痛むのが肋間神経痛で、頻度の高い神経痛です。

肋間神経痛とは?【その症状】

 多くの場合、脊椎から左右どちらか1本の肋骨に沿って、激しい痛みが突然おこります。
 肋骨に沿った部位や腹直筋(腹部の筋肉)の上に、指で押すと痛みのおこる圧痛点が存在することがしばしばあります。
 深呼吸、せき、大声などで痛みが誘発されることがあります。また痛みのない側へ身体を曲げても痛みが引き起こされることがあります。

肋間神経痛とは?【その原因】

 変形性脊椎症などの脊椎の病気や帯状疱疹が原因になることがあります。しかし、原因のわからないものも多く見られます。
 胸膜炎、肺炎、肺がん、狭心症などの胸部の内臓の病気が関係していることがあるので、しばらく続くときは安易に考えずに念のため病院を受診して、原因をはっきりさせることが大切です。

肋間神経痛とは?【中医学(東洋医学)的な考え方】

 東洋医学には様々な考え方がありますが、一般的に東洋医学と言われている中医学的な考え方を記します。
 中医学では、胸痛を『胸ヒ(“ヒ”は“やまいだれ”に卑)』と呼んでいます。胸ヒとは、種々の原因により胸中の陽気が詰まって起こる胸悶、胸痛のことです。このヒ(“ヒ”は“やまいだれ”に卑)は、詰まって通じなくなるという意味があります。軽症では胸悶が起こり、重症では胸痛が起こります。胸ヒの中医学的な分類を幾つか記します。

● 痰濁による胸痛
飲食の不摂生や飲酒などにより脾胃を損傷すると、痰濁を形成しやすくなります。この痰濁が胸部の陽気に影響し、胸部の気血のめぐりが悪くなると胸痛がおこります。
● オ血による胸痛
情志(感情)の抑鬱などにより気滞(気の流れの滞り)が生じ、気滞が改善しないとオ血を形成します。このオ血が胸部の脈絡に停滞すると共通が起こります。
● 陽虚による胸痛
以前から陽気が不足していて胸部の陽気が弱いと気血のめぐりが悪くなりやすい。さらに寒邪の影響を受けると、寒の凝滞性により血行は一層悪くなる。そのために脈絡が詰まると胸痛が起こります
 

肋間神経痛とは?【その治療】

 一般的には病院では鎮痛薬やビタミン剤を服用したり、患部に湿布を塗布して様子を見る事が多く見られます。外傷による発症の場合はもちろん傷の治療を行います。長引くようであれば局所麻酔薬を使用して神経をブロックすることもあります。また鍼灸治療も効果的です。
 鍼灸治療は各種の神経痛に対して効果的で保険療養費の支給適用となる疾患として厚生省にも認められています。(保険適用するには医師の同意書が必要です)


 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なるといわれています。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼をやさしく接触させて行くことにより、治療を進めていきます。お悩みの症状が何であれ、痛む部位だけでなく全身の調子を整えつつ治療していきます。
 積聚治療では、どんな病名・症状であれ、お身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。鍼灸治療を施すことにより、身体を芯から温め、冷えを取り、痛み等の症状をとっていきます。痛み止めなどで表面的に現れている症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、原因から取り除く根本からの治療を行います。肋間神経痛でお悩みの方は、お早めに鍼灸治療をお試しください。


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