脳梗塞後遺症は、鍼灸治療で克服!

 脳梗塞は動脈硬化などの理由で脳内の血管が詰まってしまい、血液循環が悪化したことによって生じる病気です。血液の流れが5~10分の1くらいにまで低下してしまうと血液から酸素や栄養が脳内の組織に十分にまわらなくなってしまい、その結果、脳組織が壊死を起こすことで症状が起こるようになります。

脳梗塞にも種類がある

 脳の血管が詰まってしまい脳細胞が壊死してしまうのが脳梗塞ですが、その原因となる血栓(血の塊)がどこで出来たか、また詰まる血管の太さや詰まり方により分類されます。

血栓の出来た場所による分類

脳血栓(のうけっせん)

 脳血栓とは、高血圧などにより脳の血管の中で血栓が出来てしまい、血液が流れなくなった状態のことをいいます。

脳塞栓(のうそくせん)

 脳塞栓は、脳の血管の中で血栓ができてしまったのではありません。心臓などの身体の他の場所で出来た血栓が剥がれ落ち、血液に運ばれて脳にまで流れ着いてそこで詰まってしまうものです。こちらの場合は、脳の処置はもちろん原因となった身体の部分への処置も必要になります。
 血管は末端に行くほど狭く細くなっていきます。そのため流れていった血栓はいずれどこかで詰まってしまう可能性があります。その止まってしまう場所が脳の血管だと脳塞栓と言います。腎臓や肺で詰まることも多く、それぞれ腎梗塞、肺梗塞と呼ばれます。

詰まる血管の太さやその詰まり方による分類

生活習慣が原因のアテローム血栓性脳梗塞

 「アテローム血栓性脳梗塞」。これは脳や頸部の太い血管に動脈硬化が生じることによって起こるものです。とくに糖尿病や高血圧、喫煙、加齢といった生活習慣の悪化がおもな原因とされています。近年増加傾向が高いタイプです。

心臓の病気から脳梗塞に

 「心原性脳塞栓症」。こちらは心房細動、心臓弁膜症、心筋梗塞といった心臓の病気が元になります。それらの病気によって心臓内に血栓ができてしまい、それが脳にまで流れてきた結果脳梗塞が生じます。

日本人に一番多いラクナ梗塞

 3つ目が「ラクナ梗塞」。これは脳の太い動脈から枝分かれしたごく細い血管が詰まることによって生じるもので、アテローム血栓症脳梗塞と同様加齢や高血圧がおもな原因とされています。近年、アテローム型が非常に増加してきていますが、ラクナ梗塞は脳梗塞の半数近くを占めており、日本人では多く見られるタイプです。

脳梗塞が疑われたら大至急病院へ

 脳梗塞が厄介なのは症状が現われたらすぐに病院で治療を受けないと命に関わる可能性が高くなること、そして治療が遅れれば遅れるほど後遺症が残る可能性が高くなることです。脳組織が壊死を起こしてしまうと治療が難しく、麻痺症状などの後遺症が残ってしまうのです。脳梗塞かな?と感じたらすぐに病院へ行ってください。

ここから本題。どんな後遺症が発生するか?

 病院での初期治療後、残念ながら後遺症が残ってしまうことがあります。脳梗塞の後遺症は、梗塞の発生した箇所や程度により現れ方が異なります。
 代表的な後遺症は右半身の麻痺、半身不随です。
 起こりうる他の後遺症には、両方の麻痺、手足の麻痺、尿失禁といった運動障害が起こりえます。
 それらに加え、感覚障害や言語障害、記憶障害、さらに不安定な精神状態や文字を読めなくなる失読、書けなくなる失書などの症状も見られます。中には物事に関心をもたなくなる、身だしなみに無頓着になるといった本人はあまり自覚することがない症状として表れることもあります。

後遺症が残ってしまったら…

 こうした脳梗塞後後遺症の治療にはすでに触れたように早期の治療が不可欠ですが、後遺症が残ってしまった場合にはリハビリが重要なポイントです。
 運動障害だけでなく、言語障害や感覚障害、精神面の問題に関してもリハビリが行われます。また再発のリスクが高い病気でもあるため、薬物療法を含めた治療と組み合わせながらリハビリを行っていくのも特徴です。

鍼灸治療も効果的。一日でも早く鍼灸治療を開始してください

 脳梗塞後後遺症には、鍼灸治療も非常に効果的です。西洋医学的な治療と同様発症してから一日でも早く治療をするほど大きな効果を発揮します。
 リハビリが打ち切られてから鍼灸治療を開始する方が多くおられますが、是非早い段階から鍼灸治療を併用するようにしてください。リハビリだけとか鍼灸だけでも効果はありますが、併用したほうが効果的です。早い段階から鍼灸治療を開始するようにしてください。
 もし、病院でリハビリがうちきられてしまったあとの場合は、鍼灸治療に加えて作業療法士や理学療法士のいるデイサービスを活用するのも有効です。

時間が経過してしまった方でも諦める必要はありません

 時間が経過してしまった方でも諦めずに継続的に鍼灸治療を続けることにより麻痺が軽減していく方は多くおられます。早く治療を開始するのに比べて回復は遅くなりますし、回復できる機能も限られますが、少なからず症状は緩和します。

毎日、自分でもリハビリに励んでください

 時間が経過してしまった場合に特に当てはまりますが、ごく初期であっても、治そうという本人の意気込みと努力が非常に大事です。治療をしている間だけでなく日常生活の中でも麻痺している箇所を少しでも動かすように日々努力をしなければ麻痺している箇所が使えるようになることはありません。
 例えば右手が不自由になった方の場合、時間が経過していると、かなりの事が健康な左手でできるようになります。その状態から鍼灸治療を開始すると右手の麻痺も徐々に緩和し、動くようになるのですが健康な左手を使う事が新たな習慣となっていて回復しつつある右手を使わないことが見られます。使わないと筋肉がどんどん萎縮していきますし、脳機能も回復しません。
 ぜひ、自分で治すという意気込みの基、日々リハビリに励んでください。治療家と患者片方だけでなく両者の働きが必要です。二人三脚で治療に当たるようにしましょう。

当鍼灸院での治療

 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼を接触させて行って治療を進めていきます。どんな病気でも全身の調子を整えつつお悩みの症状を治療していきます。右半身が麻痺しているからといって、必ずしもそこに鍼をするわけではありませんし、脳にばかりするわけでもありません。そこに鍼をしなくても様々な症状はは楽になります。
 積聚治療では、お身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。
 昔の何気ないケガなどが元となって身体に『冷え』が生じ、それがきちんと回復せずに時間の経過とともに冷えが広がり、その方の弱い箇所、この場合脳に症状が出てしまったと考えます。
 ですから、症状の出ている部位だけを治療するのではなく、全身的な治療を行います。そのようにすることにより、症状の本当の原因となっている『冷え』を取り除き、症状を緩和させていきます。
 症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、問題を生じさせてしまった身体の内部の原因から取り除く、根本からの治療を行います。
 つらい症状から早く解放されたい時は、お早めに鍼灸治療をお試しください。


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