こむら返りには鍼灸治療

こむら返りってなに?

 こむら返りとはふくらはぎがつって痙攣と痛みをもたらす症状のことで、就寝中に多く発生しますが、運動後など日中にも診られます。寝ている途中に突然痛みを覚えて目を覚ますのが特徴です。珍しい症状のようにも思えますが、実際には6人に1人の割合で経験したことがあり、とくに50歳を越えると発症例が急上昇します。

こむら返りって何で起こるの?

 就寝中、とくに朝方に発症することが多いのが特徴ですが、他にも運動中に起こることもあります。おもな原因は筋肉の疲労、日常生活の中でふくらはぎの筋肉に負担をかける環境が続いていると発症のリスクが高まります。筋肉の疲労によって神経伝達がスムーズに行われなくなるのが直接の原因とされています。長時間立ちっぱなしの仕事をしている人に多く見られるのもそのためです。
 もうひとつ大きな原因として考えられるのが血行不良。冷えで血行不良が生じていると就寝時に筋肉を急激に収縮させてしまうことがあり、それがこむら返りの原因となるのです。他にも筋肉の疲労とも関わってきますが、普段とは異なる動きをするなど無理な負担をかけることも原因のひとつです。
 マグネシウムや水分の不足で起こることもあります。夏場やのどの渇きを感じにくい高齢者の方などはまず水分補給を心がけてください。

頻繁に繰り返すこむら返りは要注意!!

 それからもうひとつ注意したいのが病気との関わり。神経を中心とした病気がきっかけで発症することもあります。注意したい病気では関節炎、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下症、肝硬変、糖尿病、腰椎の異常など。こむら返りはそう頻繁に起こる症状ではありませんから、もし日常生活の中で何度も起こっている場合にはこうした病気の存在も疑ってかかった方がよいかもしれません。必ず病院へ一度行かれてください。

こむら返りに治療は必要?

 突然発症し、しばらくすると収まるためとくに治療が必要ないともいえます。痛みで目を覚ました時には対策を採っている余裕もないのがほとんど。しかし高齢になると起こりやすくなるため、日ごろから予防を行っておくことが大事です。冷え性の人は血行不良の改善にまず努めること。そのうえでふくらはぎの筋肉をほぐすエクササイズやマッサージ・鍼灸がお勧めです。また発症した直後にふくらはぎの筋肉を軽くマッサージすると回復が早くなります。
 ただ、上記にも記したように頻繁に繰り返すこむら返りは、他の病気が原因のことがあります。度々起こるこむら返りの場合は『この程度なら問題ないだろう』と勝手に決めつけないで一度、病院を受診してください。

こむら返りに治療は必要?

 このこむら返りの治療に関しては医療機関よりも鍼灸院での治療の方が高い効果が期待できます。「委中(いちゅう)」「太衝(たいしょう)」に代表されるツボのほか、ハリやお灸を使用した治療が行われています。体に負担をかけることなくふくらはぎの筋肉のこわばりを改善しつつ冷え性・血行不良の改善も行っていくことができます。

当鍼灸院での治療

 鍼灸治療には様々な流派が有り、鍼灸師毎に鍼灸治療の仕方が全く異なります。当鍼灸院では、東洋医学に基づいた積聚治療という方法で鍼灸治療を施しております。積聚治療は、全身に鍼を接触させて行って治療を進めていきます。こむら返りであれ、どんな病気でも全身の調子を整えつつお悩みの症状を治療していきます。
 積聚治療では、こむら返りなどお身体の不調の原因は『冷え』にあると考えています。ここでいう『冷え』という言葉は物理的に冷たいというだけのことではありません。簡単に書くと生命力の低下です。
 昔の何気ないケガや生活習慣などが元となって身体に『冷え』が生じ、それがきちんと回復せずに時間の経過とともに冷えが広がり、その方の弱い箇所に症状が出てしまったと考えます。
 ですから、症状の出ている部位だけを治療するのではなく、全身的な治療を行います。そのようにすることにより、症状の本当の原因となっている『冷え』を取り除き、症状を緩和させていきます。
 症状だけを取る一時しのぎの対症療法ではなく、問題を生じさせてしまった身体の内部の原因から取り除く、根本からの治療を行います。
 つらい症状から早く解放されたい時は、お早めに鍼灸治療をお試しください。

上へ戻る