症例イメージ

突発性難聴の治療例 1

主訴
右耳が全く聞こえない。耳鳴り、耳閉感
患者
50代 女性
主訴の経過
来院2週間前に発症、最初は耳の中に水が詰まったような感じで自分の話し声が響くようになる。
8日前に耳鼻科を受診、服薬を開始する。
3日前に更に聴力が悪化、他の大学病院を紹介され転院する。
既往歴
幼児期に虫垂炎の手術
18年前に顎関節の矯正を行なう
20年ほど前に追突事故に遭う
8年前に乳がん。左乳房全切除
5年前に左手首骨折
3年前に右肋骨骨折
その他
食欲 良好 和食中心で菜食も多くバランスよい食事
嗜好品 酒、たばことも無し
睡眠 時によりあまり寝られないことがあるが基本的に良好
お通じ 毎日1,2回 性状も良好
妊娠出産 共に2回ずつ、普通分娩で経過良好
半年ほど前に夫の介護が必要になる。また、同時期に柏に転居。

病院で治療しても悪化の一方だった突発性難聴

初診

初回、来院時は非常に不安そうな感じ。病院で治療しているにも関わらず、改善するどころか悪化する一方なので、このまま耳が聞こえなくなるのではと不安で仕方がない。夫もこれからどんどん大変になるのに自分がこれではと思い詰めている感じ。
脈は、早さは60で正常な状況。脈の性状は、押しつぶしたときの戻りが左右とも寸(手首側)がやや悪い。
腹診をすると、下腹部・恥骨の上に非常に強い圧痛。季肋部(みぞおち)にも圧痛あり。
他の部分は、顎関節周りに多数圧痛あり。両足共に足の趾間穴がほぼ全箇所強い圧痛。首や過去の骨折箇所は特に反応無し。盲腸の手術痕は、他の箇所に比べ冷たく、力もなく圧痛あり。

   

お腹全体に優しく鍼を接触させた後、右の手首のツボを使い脈の調整を行なう。
その後、腹部の圧痛より、腎虚として背中の治療を行なう。(積聚治療では、腹診などの結果から背中の治療の仕方や手順を変えています。腎虚と言っても、『腎臓が悪い』という意味ではありませんのでご注意ください)
陰虚状態とみて、初診であることも考慮に入れ第一方式にて背中に鍼を行なう。
補助治療として、右足の趾間穴に鍼。手術痕に知熱灸(暖かいお灸で、熱くなったら取り除きます)。左の顎関節のツボに鍼を行なう。
発症してから耳がいつも詰まった感じがしていたが、治療後は発症以来初めて鼻から耳が突き抜けた感じがして不安感がかなり楽になる。

二診目(初診から13日後)及び三診目(初診から23日後)

最初は治療間隔を開けたくなかったのですが、年末年始のため2診目は約2週間後となってしまいました。間隔が開いたのが心配でしたが、前回の治療後大分耳の聞こえもよくなったとのこと。もわーとした感じが残る。
腹診をすると下腹部恥骨部分の圧痛はなくなり、2,3診とも季肋部の圧痛のみ。心積として背中の治療を行なう。
補助的に背中の治療の後に足の趾間穴、顎関節周り、胸骨などを用いる。
順調な回復が診られたため、また介護・引っ越し後の片付けなどで慌ただしいため治療中断。

四診目(初診から90日後)から六診目(初診から100日後)

右耳に膜が張ったような感じになり、急に聞こえなくなった。左耳にも幾らか症状が診られるようになり、驚いて来院。
原因に心当たりがないか確認すると、夫が吐血をし、緊急で入院したとのこと。
腹部は変わらず、季肋部の圧痛。心積、第三方式にて治療、補助的に足の趾間穴を中心に行なう。

七診目(初診から104日後)から九診目(初診から125日後)

難聴は大分改善したが、自分の声がこもる感じに聞こえ、反響している感じ。9診目の時にはそれも改善し、調子のよい状態となる。残っていたこもる感じも8診目の治療後には突き抜けて快適な状態となる。
腹診では、7診目には各所に痛みが出ていたが、9診目には痛いところはなくなり臍の硬結を積として背中の治療を行なう。
順調に回復が診られているために治療終了。

突発性難聴の治療のまとめ

他のどんな疾患にも言えることですが、突発性難聴はとりわけ早いうちに治療を開始することが大事になります。

しかし、ほとんどの方は病院での治療が終了し、『もう治りません』といわれてから慌てて来院される方が多く見られます。残念ですがそれでは高い効果を期待することは難しくなることもありますし、治療に時間もかかってしまいます。
そのような方が多い中、この患者さんはごく初期に来院してくださいました。幸か不幸か病院での治療後に悪化したのがよかったのかもしれません。
耳鼻科での服薬治療と並行して鍼灸治療を行なっているため、薬の効果ではと思われる方もおられるかもしれませんが、上に記しているように来院時にはあった耳のつまりが治療後には改善していることが何度か見られました。薬を飲んでいても変わらなかったその症状が一時間ほどの治療をしている最中に改善していっていると言うことは、鍼灸治療の効果が大きかったという事ではないでしょうか。残念ながら聴力を測定する器械はありませんし、騒がしい中治療をしているわけでもありませんので、治療前後の聴力の変化は感じずづらいですが、そちらにも効果を及ぼしていたと考えて問題はないと思います。勿論、お薬の効果を否定するつもりはありません。薬を効きづらくしていたお身体の他の問題が鍼灸治療により改善したためよく効くようになったのかもしれません。いずれにせよ、早期の治療が大切であることを強く感じさせられた症例です。

突発性難聴の方は、一日でも早く鍼灸治療を試してください。
病院での治療の終了を待つ必要はありません。

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